日本民間放送連盟(民放連)の要請で、民放ラジオのAM放送がFM放送に一本化できるようになる。最近、そんなニュースがありました。
ラジオに興味ない人にとって、何の意味もないニュースです。しかし、ラジオ好きにとって、これは結構インパクトあるニュースです。
ラジオのAM放送とFM放送の違い
そもそもAM とかFM とか何のことか分からない人が多いハズです。
ラジオの電波は、音声を電波にのせるときの方式によって、大きく分けてAMとFMの2つの方式があります。
ややこしい話ですが、電波の周波数に注目すると、AM方式は、中波周波数帯を使っていて、FM方式は、超短波周波数帯を使っています。
ややこしいですが、AM方式で短波放送もあります。海外への放送に使われます。
インターネットが普及してしまった今、短波放送は、今後どうなるか、興味シンシンです。
民放連にとって負担が大きいAM
AM方式は、大きな出力が必要なため、送信するために多くの電力が必要です。
民放連に加入している民放局は広告収入が主な収入源ですから、電力コストは重要事項です。
電力を多く使う分、電波が遠くまで届きます。
夜になると、海外にまで電波が届きます。
欠点は、音質が悪く、聞き取りにくいこと。
NHKのラジオ(FM放送は除く)は、AM方式です。
昔からある民間ラジオ局もAM放送です。おしゃべり番組や野球中継が多いですね。
民放連にとって負担の少ないFM
FM 方式は、電波を飛ばすときの出力(電力)が小さくて済みます。
民放連に加入している民間放送局にとって、送信するための電力代が節約できるのはメリットです。
一番のメリットは、音質が良いこと。ラジオで音楽を聴く場合は、FM放送が良いです。
ただし、超短波の周波数帯を使っている関係で、電波の届く範囲がわりと狭いです。
そのため、田舎の山間では、聞こえないことが多いです。
電波が届く範囲について、例えて言えば、無線LAN(WiFi)と同じようなイメージです。
無線LAN(WiFi)も、ある程度距離が離れると、突然、通信できなくなります。
もちろん、FM電波は届く範囲がWiFiよりもかなり広いです。
AMやFMとは次元が違う短波放送
インターネットが普及する前、短波放送は、海外向け放送によく使われていました。
夜になると、地球の裏側まで届くからです。
しかし、音質が悪いため、最近は利用する人があまりいないようです。
わざわざラジオで聞かなくても、インターネットで世界中の放送が聞ける時代です。。
FM放送となったラジオ番組を聴くために
AMからFMに変更されると、昔のラジオでは、受信できなくなるかもしれません。
新たにFM用の周波数を割り当てることになるためです。割り当てのときは、総務省と民放連との間で駆け引きがあることでしょう。
テレビがアナログだったときに使っていた周波数を利用します。
アナログTV時代に、1チャンネルから3チャンネルあたりの周波数(電波)を使うようです。
FM補完放送対応のラジオであれば、聞くことができるハズです。
東京や大阪の大都市では、すでに民間AM放送の内容がFM放送でも常時に放送されているため、FM補完放送が開始されています。
FM放送へ変更する意義
AM放送がFM放送に一本化されると、音質が良くなるので歓迎です。
電波が届きにくくなる場所が発生しそうです。その点は心配です。
民放連もFM電波を発信する基地を増やす努力をしないといけないのではないでしょうか。
電波の威力は災害時に発揮されます。ラジオの電波であれば、災害の時も、十分に、しかも同時に情報が伝わります。
災害時にインターネットが使えなくなる可能性は高いので、電波は強しです。
まとめ
災害の時でも使えるラジオは、大歓迎です。
AM放送がクリアな音声で聞けるのであれば、さらに歓迎します。
FM放送の電波が届きにくくなる場所が新たに生じるなら、少し心配です。