古くからあるラジオはテレビに主役を譲り、テレビはネット動画に主役を奪われつつあります。
こんなインターネットの時代に、遠くから飛んでくる電波を、わざわざラジオで聞く人が、どれだけいるのでしょう。
BCLといってピンとくる人が、どれだけいるのでしょう。
短波放送にまつわるBCLについて、ご紹介します。
BCLって何?
知っている人は知ってると思います。
昔BCL(ビーシーエル)という趣味が流行ったことがあります。
同じ時期にアマチュア無線も流行っていました。
アマチュア無線は、電波を使って素人同士で会話を楽しむことができるものです。
一方、BCLは、海外から飛んでくる短波放送をラジオで聞いて、その内容を放送局へ伝える(受信報告する)といった趣味です。
海外の放送(短波放送)
短波放送とは、国内の中波放送(AMラジオなど)と違って、主に海外から飛んでくるラジオ放送です。
「短波」というのは、周波数の特定の領域を指します。この電波は、遠くまで飛んでいきます。
昼間はそうでもないのですが、夜になると、大気の上部にある電離層(Wiki)と、地表との間を何回も反射しながら、地球の裏側まで飛んでいきます。
電波が遠くまで飛んでいくのは、すばらしいのですが、反射を繰り返すので、電波が乱れがちです。ですので、音声は、けっこうな雑音が混ざっています。
残念ながら、現在ラジコで聞けるようなクリアな音声ではありません。
音声が悪くなるので、海外の放送局は、ちゃんと放送が届いているかどうか、確認したいのです。その手段が、BCLなのです。
何が楽しいの?
・ベリカード
雑音に耐えながら、海外からのラジオ放送を聞いて、受信報告をその国の放送局に送ります。もちろん海外郵便で。
放送局は、お礼に、ベリカードというカードを郵送してくれます。
これが楽しみです。コレクション魂がくすぐられます。今でいう、御朱印ブームと同じかも?
実は、日本の中波放送(民放AM放送)でも、同じことをしてくれます。
・海外の情報
海外から日本へ向けて日本語で放送を行なっていた放送局は、数えるくらいでした。
国家戦略として放送する放送局、キリスト教の布教活動の放送局、その他目的がよくわからない放送局など。
電波が強くて、聞きやすかった放送は、日本の隣国のソ連、中国、韓国、北朝鮮の放送局でした。
なかには、南米あたりから飛んでくる放送もありました。かなり聞き取りづらかった記憶があります。
・ちょっと変な日本語
中国、韓国、当時のソ連から放送されていた日本語放送は、アナウンサーがちゃんとした日本語を話していました。日本人アナウンサーだったのかもしれません。
一方、その他の国からの放送では、その国訛りの日本語が聞こえてきます。
それはそれで、けっこう味のある日本語です。
海外への好奇心
行ったこともない国から電波が届き、その国の情報を日本語で知ることができます。
インターネットがなかった時代に、、、です。
当時、私の好奇心がくすぐられていました。
画像を伴わず、音声だけの情報なので、余計に「妄想」が広がり、多感な少年にとっては、空想が広がるばかりです。
結局ラジオが好き
音の情報だけで、様々なことを頭のなかで思い描く。
このころに、そんなクセが付いてしまったようです。
結局そのまま大人になった私は、今では、ポッドキャスト好きです。通勤時間でも、ラジオ番組から情報を仕入れています。
目を使って直接的に情報を得るよりも、音で情報を得ることの方が好きなのです。
BCLやアマチュア無線を趣味にしていた当時の人たちは、いまではおっさん(失礼、おじさん)になっているハズです。
インターネットの時代に、どんな趣味をお持ちでしょうか。
まとめ
ラジコを使えば、あるいは、インターネットラジオ局を使えば、世界中のどこの放送でも、ほぼ聞くことができる時代です。
放送だけでなく、個人が発信しているポッドキャストや音声ブログを聞くこともできます。
音声情報だけでも、こんなに選択肢が増えてしまった状況では、放送局を選ぶこと自体が大変な作業です。
ラジオ好きは、「視覚情報」よりも「音声情報」好きな人たちです。どんな音声コンテンツを楽しんでいるのか、調査結果を知りたいものです。