便利さを追求するのは、人類に進化をもたらすので、決して悪いことではありません。
便利さを追求したからこそ、今の世の中を楽しんでいるのですから。
でも、人間の脳は、長い歴史のなかでそんな急には変われません。
アナログな環境で子供時代を過ごした頭が、急にデジタル社会に適応できるとは思えません。
逆説的ですが、不便なことや面倒なことを楽しんでいると、なぜか脳が良い方向へ反応してくれる場合があります。
例えば趣味を楽しんでいる間は、面倒な作業も苦ではありません。
むしろ幸福感すら感じているかも。
料理だってそう。
おいしい料理をお金を出してただ単に食べるのは、確かにしあわせ。
しかし、おいしい料理を作ろうとしてあれこれ考えている瞬間の脳は、実は幸せを感じているかもしれません。
実際においしい料理ができたら、さらに幸せを感じているかもしれません。
その料理をおいしいと言ってくれる人がいたら、幸せ感はマックスかもしれません。
そのように脳はできているようです。
脳内ホルモンなのか、幸せホルモンなのかわかりませんが、幸せ感の正体はこういったところにあるかもしれません。
結局、どこかで自分以外の人とかかわっているときに幸せホルモンがドバーっと出るようです。
楽したいのは誰でも共通していますが、好きなことであれば、あえて不便さを選んで自分自身でやってみる、そんな方法もありでしょう。
趣味なんて、面倒なことを自分から進んでおこなっています。
でも、趣味によって幸せな感覚を得ることができるのです。
そう考えると、楽(らく)ばっかり追及せずに、自分の中で特定のものを選択する方がよいのかもしれません。
めんどうな行事としての代表格が団体行事です。
近年になってから、特にコロナ禍になってからまったく実現しない、職場での催し。
半強制的な飲み会は拒絶したい場合もありますが、ちょっとしたリクレーション大会なら、参加してみると意外と楽しめたりするのです。
やっぱり人間の脳は、どこかアナログ的なのです。
ただ、今のz世代よりも若い世代はどうなるかわかりません。
子供のころからインターネットで世界とつながっているのですから。
今後の世の中を変えるのは、ひょっとしたら、今までの脳では思いつかなかった発想をしてしまう、20代以下の人たちかもしれません。
そうだとしたら、もうあと数年で劇的に変わるかもしれませんね。