冷房を使わざるを得ないのに、電力料金が心配です。
熱中症か、冷房かという選択肢を迫られている近年の夏です。
原子力発電が普通に動いていた頃は、電気を湯水のように使っていました。
火力発電で電力をまかなっていると、電気料金が高くなったうえに、二酸化炭素を放出しながら電気を浪費することになります。
よけいに冷房の使用を遠慮してしまいがちになります。
でも、よく考えると、電力を使うこと自体は問題ではありません。
電力を火力発電で作っていることが問題です。
それなら自然エネルギーで発電すればいいのでは?と素人的に思いますが、それができるならとっくに実践しているハズです。
電力は便利です。熱や動力などに自在に変わるエネルギーです。
電力の欠点は貯めることが難しい点です。
電気を貯める電池があるとはいっても、世界中の電力を貯めようとすると、電池材料の奪い合いが始まります。
なので、電気を別のかたちに変えて保管できればいいのです。
今までは、かたちをかえて電力を貯めていたのは、主に石油です。
石油という液体の状態は、まさにその「かたち」。
石油に代わる「かたち」は、何になるのでしょう。
水を電気分解して水素が作れることはすでに知られています。
水素を使ってエンジンを動かしたり、発電したりできることも知られています。
電力をため込む水素が貯蔵できれば、問題は解決されるハズですが、水素は気体なので基本的に貯められません。
ここがネックですね。
以下、妄想ですが、もし、
・液化天然ガスのように水素を液化して輸送できるなら、
・都市ガスのように水素ガスの供給網が作れるなら、
・水素をためる液体が開発されて、その液体を介して水素ガスを流通できるなら、
問題は解決できそうです。
一方で、電力自体にも問題はあります。
そもそも日本には周波数の異なる2種の電気があります。
東日本で50Hz、西日本で60Hz。
小さな島国でこんな状況になっている発端は、明治時代にさかのぼります。
東京電力(当時)がドイツから50Hz発電機を輸入した一方で、大阪電灯(当時)がアメリカから60Hz発電機を輸入したことが原因です。
日本全国で周波数を統一すれば、電力が余っている地域から、電力が足りないところへ供給できます。
しかし、周波数を変更するには、発電所、変電所、送電網、さらに家庭や企業の電気機器まで、広範囲にわたって設備の改修、交換が必要になります。
膨大なコストと時間がかかります。
現在の対策では、周波数変換所を設置して、東西の電力を融通可能にしています。
大規模な設備変更なしで東西の電力融通が可能になりますが、変換にはエネルギーロスが生じます。
なんと、交流送電網から直流送電網へ変えるという構想もあるようですが、現時点では具体的な計画はありません。
話が脱線しましたが、とにかく電力をかたちに変えて貯めることができれば、いいのです。
せっかく太陽光発電をしていても、太陽光発電の発電量が多すぎる場合に、わざわざ発電をストップさせているという現状があります。
かたちを変えた電力を貯めることができれば、このような無駄も解決できそうです。
ちょっと視点はズレますが、水素の基は無尽蔵にあります。
水素の塊はありませんが、水素と酸素がくっついた液体は、目の前に水として普通に存在します。
水を高所へ持っていけば、落差を利用して水力発電ができます。
高温の水である水蒸気を利用すれば、タービンを回して発電できます(地熱発電)。
水から水素ガスを作るべきだと思います。
エネルギーの塊の水素ガスを、ガスから液体に変えることができれば、多量に貯めることができます。
水素ガスが多量にあれば、水素ガスを燃焼させるエンジンで発電もできます。
技術的には可能だけど、乗り越えるべきハードルが多くて、いまだ水素を使い切れていないのは、もどかしいですね。