特にデスクワークをしている人。
ほぼ一日中座ったまま仕事をすることになります。
エコノミー症候群になるのではないかと心配するほど、長時間座り続けています。
長時間座り続けると、同じ姿勢を続けることになります。
同じ姿勢を続けると、動かさない筋肉は、徐々に硬直してきます。
立ち仕事よりもデスクワークは楽ではないかと思われがちです。
実は、ジワジワとカラダをむしばむという点では、デスクワークの方がひどいかもしれません。
カラダを動かさないと、カラダに悪い影響を与えます。
ただ運動していないだけと油断していると、あまり自覚がないまま疲労が蓄積します。
つらい症状を自覚したころにはかなりひどくなっている場合があります。
病名がないため、いったいカラダの何がおかしいのか、想像つかない人も多いと思います。
カラダを動かさないという単なる運動不足ではないのです。
首や肩の筋肉を緊張させ続け、その結果、脳にも影響を及ぼすことは、あまり知られていません。
特に首の筋肉には、脳へ血液を送る重要な血管が通っています。
なぜ首なのでしょう。首の上にある頭について考えてみます。
頭の重さがボウリングの玉とほぼ同じであることは、あまり知られていません。
こんな重いものを上半身だけで支え続けるのが、デスクワークの座り姿勢なのです。
背骨の真上に頭があれば、背骨で頭を支えるので、首の筋肉の負担は小さくなります。
しかし、デスクワークでは、モニター表示を見るために首が前に出ます。
こんな姿勢では、背骨で頭を支えることはできず、首や肩の筋肉で頭を支えるしかありません。
腕を伸ばして重いカバンを持ち、カバン(頭)を腕の筋肉で(首の筋肉で)支えるようなものです。
このように、精神集中をして緊張してしまうデスクワークは、カラダを動かさずに硬直させてしまうだけでなく、さらに精神的緊張によって、首や肩の筋肉を特異的に硬直させます。
カラダが硬直すると、血行不良につながります。
血行不良になれば、栄養や酸素を運ぶ血液の流れが悪くなりますから、血行が悪くなった部分のパフォーマンスが落ちます。
パフォーマンスが落ちる部分が、筋肉だけであればまだましです。
首の血流が悪くなると、脳や目のパフォーマンスが悪くなります。
そうなると、集中しようと思っても集中力が続きません。
デスクワークという仕事にとって致命的です。
血行を良くするためには軽く運動するのが良いのですが、職場ではなかなかできません。
いきなり同僚がストレッチをもくもくと始めたらどうですか。
白い目で見てしまいます。
なので、自分自身がストレッチしようと思ったら、逃げ込む場所はトイレしかありません。職場にある唯一の個室です。
休憩のためにトイレへ行き、個室でストレッチするしかないのです。
ついでに軽く筋トレすると、血流はさらによくなります。
軽めのスクワットがちょうどいいですね。
しかし、トイレの個室で謎の行動をする自分自身を許せますか?
職場で変なかっこうを見られて噂を立てられるよりも、トイレの個室で変な恰好をしてでも自分の体調を整える方が合理的です。
少なくとも私はそう思います。
効果抜群ですから。
この「ひと手間」をするかしないかで、デスクワークのパフォーマンスの出来不出来が決まります。
めんどうですが、自分自身のメンテナンスをトイレの個室で実行することをおすすめします。