どんな人でも、他人への感謝の気持ちを持ちましょう。
そんな言葉を聞いたことがあるハズです。
しかし、この意味を実感している人は、どれだけいるでしょう。
自然災害で家族を失った人、交通事故でカラダの一部の機能を失った人、大きな病気を経験した人、このような経験をした人は、実感しているかもしれません。
でも、大半の人は、自分のことしか考えていないのが実情でしょう。
自分のことで精いっぱいというのは、ある意味当然です。
動物としての本能ですから、必ずしも悪いとは言えません。
でも、人間は社会性のある動物ですから、他人様と関わらなければ生きていけません。
この事実を知っているか否かで、かなり違います。
他人様と関わるからこそ、感謝の気持ちが必要である、その意味を自分なりに考えてみます。
他人様に迷惑をかけながら、一方で、他人様と関わり合いながら生きていくのが人間です。
他人様に多少の迷惑は、かけてしまうのです。
職場でも家庭でも同じです。
職場において、細かい事務作業をすべて自分ですると、本当にやりたい仕事ってできなくなります。
家庭において、掃除や洗濯をすべて自分でやろうとすると、仕事や趣味に使う時間が限定されてしまいます。
お金がからむ商売でも同じです。
例えば、お金を払って通信販売で物を購入しても、だれかが届けてくれなければ手に入りません。
みんな仕事で割り切ってやっているのだから当然だ、という意見ももっともです。
でもやっぱり、どこかで生かされているという感覚を持つことが大切です。
突然一人になったとします。普通に生きていけるでしょうか。
お金さえあれば食事や衣服に困らないので生きていけると思う人もいるでしょう。
でも、1年中、誰にも会わずに生きていけますか。
どこかでだれかに合わないと、会話しないと、普通の精神状態を保てないのではないでしょうか。
やっぱり、普通の生活をしようと思えば、他人様と関わらなければ生きていけないのです。
他人様と関わるとは、何でしょう。
他人様の何を奪っているのでしょう。
他人様の時間を奪っていることに気づけるかどうかです。
その人の人生の一部を共有して使っているのです。
言い換えると、他人様の人生の一部を奪っているのです。
他人様と関わるということは、他人様の人生の一部を奪いながら、実は自分の人生の一部も与えながら、時間を共有するということです。
人と関わるということは、つまり、時間を奪いつつ共有するということ。
これに気づけるかどうかで、他人様への感謝の気持ちの度合いも変わるでしょう。
自分では時間を与えているつもりはなくても、相手から見たら、自分の時間は奪われているのです。
これぞ、ギブアンドテイクです。
お互いが時間を奪われつつ与えているという関係。
ギブ(与える)もしているけど、テイク(奪う)もしています。
だから、やっぱり感謝の気持ちって必要です。
少なくとも、テイク(奪う)しているのですから。